
こんにちは!
確定拠出年金事務員の米田です~
今回はマクロ経済スライドと年金の関係について書いていきます!
下記のような疑問を持っている方の解決にお役に立てると思います
・高齢者の年金受給額か、それとも現役世代が払う年金額が減らされるの?
・どんな時に発動するものなの?
マクロ経済スライドとは
ざっくり言ってしまうと物価や賃金の上昇した年に年金受給額の増額する金額を調整して年金受給者へ年金を支払う制度です
「文章だけだと何言っているのかわかりづらいよ~」
という方のために図で解説していきますね!
物価やお給料が上がると、本来なら年金受給額も上がるようになっています
なぜなら、物価が上がったのに年金額が増えないと生活が苦しくなるからです
しかし物価やお給料などが+1%になったからといって、実際に支給される年金受給額が+1%になるわけではありません
マクロ経済スライドによって+1%よりも少ない数字に調整して上乗せされた金額の年金が支払われます
ではこのマクロ経済スライドが発動するとどうなるのかをまた図で説明しますね
仮に1%賃金率が前年より増えたとすると、縮め幅は-0.3%とします
※なぜ-0.3%なのかというと、平均余命が毎年0.3%ずつ伸びる試算があるため-0.3%ずつ縮めることになります
すると1%から0.3%を引いた0.7%が年金額に上乗せされる計算になります
このように+αされる年金額が調整されます
これがマクロ経済スライドです
マクロ経済スライドができた理由は何?
できた理由は少子高齢化対策のためです
受給額を1%そのまま増やして年金を給付してしまうと、そのときはよくても将来の年金財政が厳しくなり今、年金を納めている現役世代が不利益を受けることになります
今後一人当たりのお給料が増えたとしても現役世代の人口は減るため、全体での支える力は減少してしまいます
一方、高齢者の寿命は伸び続け年金の支給期間・金額も増え続ける予定です
そんな少子高齢化の進展具合に応じて年金額の伸びを調整するためにマクロ経済スライドが作られました
ただし、物価やお給料が上昇した年の年金の伸び幅を縮めるだけなので、
マクロ経済スライドが発動されたからといって年金額が前年を下回ることはありません
また、マクロ経済スライドが発動して年金額に関係があるのは受給する年金額です
現役世代の納める年金額と直接関係するわけではありません
マクロ経済スライドが発動する・発動しないとき
発動するのは先ほどのように物価や賃金率が上昇したとき
給付する年金額を調整するために発動します
どれくらいの頻度で発動したのかというと2005年に作られてから、これまで3回発動しました
2015年度・2019年度・2020年度です
あまり発動しない印象です
物価や賃金率が減少したときまたは前年と変わらないとき
上昇しないと調整する必要がないので発動はしません
しかし、物価や賃金が減少しているので、マクロ経済スライドとは関係なく受給する年金額は減少となります
キャリーオーバーとは
「宝くじのCMで聞いたことがあるな~」と思った方多いのではないでしょうか?
意味は簡単に言うと”繰り越す”です
これが年金にも当てはめられています
もし物価や賃金が前年より変わらないか下回った場合マクロ経済スライドが発動しません
しかし、-0.3%は翌年に繰り越して物価や賃金が上昇した場合前年分も合わせて年金給付額の+α%から引きますよというものです
キャリーオーバー(持ち越して)翌年に0.3%を上乗せして年金の増加幅を調整することになる
年金を受給する側はキャリーオーバーがあるともらえる年金が減ってしまうことになります
物価や賃金の上昇が0.3%に満たないが上昇した場合どうなる?
おそらくここまで読んでくれた方の中には
「物価や賃金の上昇でマクロ経済スライドが発動することは分かったけど、+0.3%に満たない上昇だった場合はどうなるの?」
という疑問を持つ方もいると思います
この場合は微調整となります
もし仮に0.1%だけ上昇した場合、この0.1%分だけ調整分として引き、残りの0.2%をキャリーオーバーとして翌年に持ち越すこととなります
翌年物価や賃金が上昇すれば0.5%徴収する予定です
まとめ
◆マクロ経済スライドとは
→物価や賃金の上昇による年金受給額の伸び幅を調整するもの
◆マクロ経済スライドによって影響がある年金
→受給する年金に影響があり、現役世代の納める年金には直接関係しない
◆マクロ経済スライドができた理由
→少子高齢化への対策
◆マクロ経済スライドが発動する・発動しないとき
→発動する :前年より物価や賃金が上昇した場合
→発動しない:前年より物価や賃金が変動しない・減少した場合
◆キャリーオーバーとは
→マクロ経済スライドが発動しなかった場合翌年に-0.3%の調整を繰り越すこと
◆物価や賃金が前年より上昇したが、0.3未満の場合
微調整となり上昇した%を0.3%から引き賄えなかった残りの%を翌年に繰り越す
以上かんたんに解説してみました!
「ここもう少し細かく書いたほうがいいのでは?」等至らない点があったかもしれませんが参考になればうれしいです!

ご覧いただきありがとうございます!
◆参考にさせて頂いたもの
マクロ経済スライドってなに? | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)
2021年度(令和3年度)年金額は0.1%減額。マクロ経済スライドは発動せず。 | 『資格の大原』ブログ 社労士 (j-tatsujin.com)
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